世の中の出会いはお別れ後の再会です。中国の民間伝説では、恩を報いるため、または借金を取り立てるために生まれ変わる物語が多くあり、世の中の出会いは偶然ではなく、前世の因果関係によるものであることを教えてくれます。
清の時代の康熙14年、桐城市に姚東朗という秀才が住んでいました。彼には10才の息子がいましたが、重病で死にそうになりました。息子の死を前にして、姚東朗夫婦は「息子よ、本当に私たちの子供になる縁はなかったのか!」と悲しく嘆きました。
その時、重病の息子は突然口を開き、北の方言で言い始めました。「私は元々山東省にある寺の坊さんで、金貨30両(昔の金貨の単位)を積み立てましたが、師兄に発覚し、師兄は私を殺そうと、川に投げこみました。私が慌てて観音菩薩を呼んだら、観音菩薩が現れ、『あなたの命数はここで終わると決まっているので、転生しに行きなさい』と言いました。そして私はそのまま溺死しました。この事件を目撃した現地の人たちはこの事件を官府に報告しましたが、当時県令を務めていたあなたは、師兄から私の金貨30両を口封じの賄賂としてもらい受け、この事件をなかったことにしました」
「私は借金を取り立てるために、あなたの弟の姚嵩紹に生まれ変わりましたが、20年経っても借金を取り立てられなかったので、死後またあなたの息子として生まれ変わりました。ここ10年の間、金貨30両の借金はほとんど返してもらったので、私もここを離れることになりました。あなたのお家には私が気に入っている拄杖が一つありますが、それを燃やして私にくれるとちょうど金貨30両の金額になります。私の師兄も借金を取り立てるためにあなたの長女として転生して、溧陽市に住んでいる潘氏と結婚しました。現在彼女は妊娠しており、まもなく出産します。私が死んだあと、彼女の子供として生まれ変わり、前世に私の命を害した罪を報わせます」
息子は言い終わると、その場で死んでしまいました。
(翻訳編集・唐玉)
( 轉載大紀元 )